今日は「予想」と「予測」の違いについて、補足をしておきたいと思います。
昨年7月に、「予想」と「予測」の違いについては一通りの解説をさせていただいていますので、もしよろしければ、こちらもご高覧ください。
さて、このところFXに関する様々な記事を拝読させていただいていますと、予想に基づくトレードはしてはいけない、ということは優位性のあるトレードを継続的に行う上での共通の認識となっていることは間違いなさそうですが、中には予測に基づくトレードもしてはいけない、という記事を見かけるようになりました。
この原因ついて考察してみたのですが、端的に申し上げますと、予測に基づくトレード否定派の方々のおっしゃる予測というのは、どうやら「予測≒予想」という概念で言葉の意味を捉えていらっしゃる方が多いようですね。別にそれがいけないとか、そういうことを申し上げているわけではありません。私の申し上げている予測の意味を正確にお伝えしたく思った次第です。
辞書を引きますと、
予想=物事の成り行きや結果について前もって見当をつけること。
予測=事の成り行きや結果を前もっておしはかること。
というようなことが書かれていますが、よく分からないですよね^^;これも端的に言えば、予想は「予め(あらかじめ)想う(おもう)こと」、予測は「予め(あらかじめ)測る(はかる)こと」ということになりますが、これでもよく分からないかと思いますので、上手く伝わるかどうか分かりませんが、具体例を挙げて説明してみたいと思います。
競馬をなさっておられる方にはお分かりいただけるかと思いますが、競馬は予想すると言いますが、競馬を予測するとはほとんど言われないですよね^^;これは、競馬の場合は、1レースごとに結果が出て、その先というものがありません。つまり、レースが終わった時点で、当たったか外れたかのどちらかの、「点の概念」になります。
それに対して、相場は予想もできますし、予測もできます。「1時間後にドル円が上昇すると思う。」というのは予想です。1時間後の時点で、現在レートより上がっているか、下がっているかの「点の概念」です。
予測の場合は、「もし、このまま上昇してレジスタンスを上抜いてきたならば、ロングをしかけよう。そして、もしその後下がったら直近安値をはっきり下抜けたら損切りをしよう。もし上がったら、チャネルラインでエグジットしよう。」というのは予測です。これは、ポジションを持つ前から、あらゆる場面を予め推し測り、「こうなったら、こうする。」と事前に計画を立てて、(シナリオを立てる、とも言いますね。)実際に仕掛ける場面が示現したならば執行する、という流れになります。これは、ポジションを持った後においても、自分の想定が継続していることから、点の概念ではなく、「線の概念」になります。
予想と予測の違いに絞って説明していますので、ちょっと誤解をされる可能性もあるかと思いますが、なんとなくお分かりいただけますでしょうか…。いかがなものでございましょうか^^;
もう1つ、将棋に例えて説明してみましょう。「相手がこうくると思うから、こう指す。」というのは予想に基づく指し手です。「相手がこうくるならば、こう指す。こっちできたならば、こう指す。そして、次にこうきたらこう指す…。」というのは予測に基づく指し手です。1手の読みは予想、3手以上の枝分かれの選択肢も含めての読みは予測。いかがでしょうか^^;
では、問題(笑)。
「15分足でサインが出たので、ポジションを持とうと思ったが、上位足である1時間足を見てみると、レジスタンスラインまであまり距離がなかったので、ポジションを持たずに一旦様子を見た。」というのは、予想でしょうか、予測でしょうか。
ちょっと簡単過ぎましたか?答えは予測です。先を見て想定していますので、これは点の概念ではなく、線の概念です。つまり予測ですね。
では、第2問。
「1時間足でロングのサインが出たので、ロングを執行した。しかし、思惑と違って逆行したため、躊躇なく損切りを執行した。」これは、予想に基づくトレードでしょうか、予測に基づくトレードでしょうか。
言葉の捉え方によって、意見が分かれそうですが、一応、答えは予想に基づくトレードとしておきます。サインが出たからロングを執行した、というだけでは点の概念ですので、その先のことを想定せずに執行した、という意味と捉えるなら、これは点の概念ということになり、「上がることを予想してロングを執行した」という意味で、予想に基づくトレードです。
損切りを執行した、というのも同様に、単に下がったから売った、という点の概念であるなら、これは上がるという予想が外れたから損切りを執行したまでのことですので、予想に基づくトレードです。
つまり、「サインが出たから執行する」だけではFXでは勝てないのです。負けていることをインジケータのせいにしてはいませんか?購入した商材が使えない、と商材のせいにしていませんか?
「未来のことは誰にも分からない」のですが、過去の傾向に基づき、少し先のことを想定して期待値が高いと思われる方向にトレードをする、ということは良いことだと私は思っていまして、私の申し上げる予測に基づくトレードとは、そういった意味のトレードになります。真面目に相場と向かい合い、自身の技術を磨いていくしか道はないのです。
いくらかでもご参考になさっていただければ幸甚です。

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